木でできた鳥居、青銅鳥居など鳥居にはさまざまな種類があるが、私が特に好きなのは歴史を感じる古びた石鳥居である。苔むしているとなお良い。ひと気のない森にぽつんと立っていたりする様はまさに異界への入口のよう。
日本三大石鳥居というのがあるらしく、日光東照宮・鶴岡八幡宮・八坂神社(京都)だという。今回はそのような有名観光地の神社ではなく、独断と偏見で選んだ個人的にグッときた石鳥居を軽いテンポで紹介していきたい。
全国の個人的おすすめ石鳥居
室生龍穴神社
奈良県宇陀市に鎮座。高龗神を祀り、雨乞いの神事が行われてきた神社。
鳥居は道路沿い、神社入口にたつ2本の巨杉の少し先にある。鬱蒼とした森を背負う境内の深淵な雰囲気を、この石鳥居が入口から作り出していると思う。
花園神社
茨城県北茨城市の山中に鎮座する、大山咋神を祀る神社。
川沿いの林道を進んだ先に突如現れる神域の入口にふさわしい石鳥居である。
神社自体も創建から1300年を超える古社である。
境内の至る所に立つ巨木たちも見どころである。
武田八幡宮
山梨県韮崎市に鎮座、甲斐武田家の氏神として崇敬を集めた神社。本殿は武田信玄が再建したという。
この神社の三の鳥居にあたるのがこの石鳥居である。
石垣の上に立つこの形式は全国的にも珍しく、石垣・鳥居あわせて県指定重要文化財となっている。
いわゆる南アルプス山脈に近いこの場所はしっかりクマ出没地域らしいので要注意。
滝尾神社
日光二荒山神社別宮ともいわれる神社。日光東照宮から20分ほど歩いてアクセスする。
運試しの鳥居とも呼ばれ、扁額が置かれる位置にある小さな穴に石を3回投げひとつでも穴を通ったら良いことがあるといわれている。
本殿裏の石柵内には三本杉があり、その手前にも石鳥居が立つ。ここは田心姫命の降臨したところと伝えられている。
村上佐志能神社
茨城県石岡市の、龍神山北峰の山麓に鎮座する神社。
雑草伸び放題の中に立つ石鳥居。時期によっては手入れされている時もあるようだ。
祭神は日本武尊と闇龗神。かつて龍門・君門の二つの穴から湧き水が出て、この地域の住民の飲料水などに使われていたという。現在でも少量ながら湧出するという。
染谷佐志能神社
同じく茨城県石岡市の龍神山の南峰に鎮座、村上佐志能神社とは二社で一対の関係にある神社。
入口から長い参道を歩き、鬱蒼とした森の中に立つ二の鳥居がこの石鳥居である。社殿はこの上標高約85mにある。
祭神は豊城入彦尊と高龗神。崖際に建てられており、社殿左手には屏風岩がある。この岩には風神の穴というのがあり、指を入れると雷鳴がなるまで抜けなくなるという伝説があるらしい。
伝説になるくらいなので、今もそうだがこの地域は昔から雷が多かったことが窺える。またとんでもない虫の量なので冬場の方が参拝は楽かもしれない。
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