【参拝旅行記】信州伊那から大鹿村ー北条時行の墓に参るー

友「逃げ上手の◯君って流行ってるじゃん?」

筆「あー、アニメ始まったもんね」

友「お墓見に行きたい」

筆「ん?」

こんな感じで長野県大鹿村へ行くことが決まったのが出発2日前。なんでも鎌倉時代滅亡後〜南北朝時代絶対的主人公であった足利尊氏と最期まで争い続けた北条時行のお墓が県南部にひっそりと存在しているというのだ。物語にハマった友人に引っ張られる形でなかなか訪れる機会のなかった長野県南部を秘境神社とともにめぐる週末弾丸長野行きが決まった。

追記:大鹿村HPより、北条時行の墓は2024年9月現在立ち入り禁止とのことです。

夜の上野を出発ー長野・伊那へ

金曜夜の急遽の出発ということでレンタカーの空いている場所が限られていたこともあり、出発は上野駅からとなった。

せっかくなので上野の激混み町中華珍珍軒へ。どれも美味しかったが特にチャーハンが素晴らしかった。

出発し首都高・中央道を走り抜けること4時間弱、日付が変わる前に無事拠点とする長野県伊那市に到着。

すでに0時過ぎ、ホテルに入り特に何をするわけでもなくこの日はすぐに就寝。

伊那市から大鹿村へ

翌朝はファミリーレストランで朝食を済ませ早々に出発。

山の中の神社・高烏谷神社

© OpenStreetMap contributors

伊那市から南東へ、駒ヶ根市の東伊那という地区に高烏谷(たかずや)神社は鎮座する。

林道を進んでいくとやがて現れる鳥居。山の中であるため、ここから鈴を鳴らしつつ参道を登っていく。

様々な樹木が立つのだが特に多いのはアカマツらしい。樹齢300年を越すものもあるという。

ここは高烏谷山への登山口でもあるという。社殿裏から登山道が伸びていた。ちなみに山頂の高烏谷神社奥社にはほぼ車で行けるらしい。

大鹿村に入る

© OpenStreetMap contributors

伊那市をスタート地点にしたわけだが大鹿村は当初思っていたより意外に遠く40km以上離れている。東京ー横浜間を軽く越える距離。位置関係はこんな感じ。

大鹿歌舞伎の舞台・市場神社

小渋川を横目にいよいよ大鹿村に入る。まずは市場神社へ。

大鹿村の名物とはなんだろうかと調べてみると、「大鹿歌舞伎」だという。およそ300年の間、神社の舞台で演じられ伝承されてきたという。2017年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された。

こちらがその大鹿歌舞伎が演じられる舞台。大鹿歌舞伎は主に春と秋の年2回行われるが、秋に行われる場所がここ市場神社である(春は大磧神社)。今回は時間の都合もあり市場神社のみ参拝。

続いてお土産物を求め道の駅 歌舞伎の里大鹿へ。

ここで売っている鹿肉を使ったレトルトカレーは2015年ご当地カレーグランプリで優勝したらしい。そんな鹿肉のカレーと鹿肉のパスタソースを買った。奥にはレストランがあり鹿肉を使った料理などをいただくことができる。

北条時行のお墓へ

追記:大鹿村HPより、北条時行の墓は2024年9月現在立ち入り禁止とのことです。

いよいよ逃げ上手だったという若君の墓所へ向かう。

小渋川にかかる橋を渡り進んでいくと…

なかなかの土砂崩れ跡。仕方なしにここから歩いていく。

10分程度進んだところ、mapの画像にもあった「金毘羅大権現・秋葉山大権現」の石碑にたどり着く。

このエリアにいくつものお墓があるのだが肝心の北条時行の墓とされるものは見当たらない。

どうしたものか、、、と思っていると墓の前に先客がいらっしゃる。右上を指して「あの辺にあるんじゃないか…」と目星をつけているという。だいぶ先に来て左手の方などは探索済みだという。あまりに都合が良すぎる。ドラ○エのお助けキャラだろうか。

その方の後についていってこれは登れるのか?というような斜面を鈴鳴らしながら登っていく。白シャツは友人。

登ること数分、突如「あった!!」と叫ぶお助けキャラ。漫画ならご都合主義すぎて叩かれる展開。

たどり着いたそこにはネットの画像で見た通りのお墓がひっそりと存在していた。すぐ隣には今にも崩れそうな祠が立っている。

漫画・アニメで初めてちゃんと知ったミーハーではあるがしっかりお参りさせて頂いた。友人と二人だけではたどり着くことはできなかっただろう。先客の方にお礼を言う。お先に!と爽やかに降りていった。

これでとりあえずは目的達成である。ダム施設を横目に車へと戻る。

© OpenStreetMap contributors

伊那市を巡る

伊那名物 ソースカツ丼

伊那といえばソースカツ丼が有名だという。時間配分を間違えたか友人が所望していた店は間に合いそうもない。謝罪。ただ近くに人気の店があるということで行ってみた。

アンサンブル伊那。コロッケが人気だというがこの日は遅かったため品切れに。

カフェという雰囲気のお店。料理は評判がよく、頂いたソースカツ丼は肉厚のカツが絶品であった。

高遠・子安神社

東へ向かい高遠を経由して南東方向にある美和湖のあたりを目指す。

まず子安神社。こちらは八幡神社と妙義神社を配祀している。三社分刻まれた太い扁額が目を引く。

境内も拝殿のほかにさまざまな神様を祀っている。木の鳥居が非常に雰囲気あっていい。参道の途中の広場のような空間でデイキャンプを楽しんでいる方々もいた。市民からも親しまれている場所だとわかる。

そのあとは道の駅南アルプス村長谷。

汁をたたえた焼きそばだという伊那名物ローメンと味噌カレーを買う。とにかくここにしかなさそうなものは買う。

本殿は重要文化財・熱田神社

神社としての最後の目的地は熱田神社。

鳥居を囲む木々もさることながら、なんといっても目を引くのは本殿を包む巨大な茅葺き屋根である。これはいわゆる覆屋(雨風から守るための建物)で、なかに豪華な彫刻が施された本殿がある。申し訳ないが写真はないのでぜひ検索してみてみていただきたい。

この地の先祖たちが日本武尊を信仰し、尾張の熱田神宮の形影をお迎えし産土神として祀ったと記されている。本殿を覆う茅葺き屋根の覆屋は明治21年(1888年)再建されたもので、以降幾たびかの屋根替えが繰り返されてきたという。

夕方の諏訪へ

美和ダムから三峰川へ大量に放流している瞬間をみた。アトラクションみたい。

杖突峠から上諏訪へ

杖突峠を通って諏訪へ向かう。

夜景スポットとして有名な場所なのだが立ち入ることはできなかった。ご自由にお入りくださいと言いながら錠がしまっている。茶屋の空いているタイミング次第らしい。

上諏訪の名物天然温泉

上諏訪は片倉館へ。

千人風呂で有名な天然温泉をたたえた施設。歴史を感じながらひとっ風呂浴びたあとは諏訪湖へ。

焼けるような西の空である。

明るさが残るうちに諏訪湖を一望できる立石公園へ。

写真ではわかりにくいが、アクセスが良いこともあり人が多い。2016年の秋に訪れた際には「瀧くん…!」と某大ヒットアニメ映画の再現を試みる男の集団がいたりしたのを思い出す。

諏訪のご当地ラーメン

かつて仕事で長野に滞在していた友人のススメで諏訪のご当地ラーメン「ハルピンラーメン」へ。

ノーマルとニンニクましのパターンがあるがとりあえず初なのでオーソドックスで。

レビューにもあったが味噌と醤油どちらの味も感じるスープはここでしか味わったことがないと思う。とても美味しかった。店で売ってる自宅用ラーメンも買ってしまった。

東京へ帰る

お月様に見守られながら中央道を東京へと突っ走る。上野駅前での返却時間が迫っているのである。

そんな中談合坂サービスエリアでしばし休息。

というのも足立の花火大会を封殺したカミナリが首都圏を襲っているのだ。時刻は22時前。正確には第2波か。雷雲下では3秒とて外にいられない筆者は友人に無理をいい様子見させてもらった。

閃光でさえ心臓が跳ね上がる雷恐怖症、克服には外に出て慣れるしかないらしい。そんな暴力的な話があってたまるかいな。

とはいえ制限時間があるので東京へと向かわなければならない。

豪雨の府中市を通過中 幸いにもこの間雷は落ちなかったが他の多摩地区はピカピカである

結果的に23時過ぎに東京へ帰ってきても依然雷雲がモクモクに湧き出続け空がビカビカ光りまくっている状態、無事返却できたがすぐに解散し地下鉄へ逃げ込み1時近くの落ち着いた隙に駆け足で帰宅したのであった。最高の旅だったと思うが天国から地獄と言える一日となった。

ほぼ熱帯に近いという日本の夏、皆さんも雷にはお気をつけください。

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