岐阜旅行完結編である。
前回記事はこちら
灼熱の三日目 2年越しの2社参拝
この日は岐阜旅行に家族が合流するのでひとまず岐阜駅へ向かう。まさに快晴、灼熱地獄である。
美濃市を通るので「うだつの町並み」に立ち寄る。
「うだつ」とは、屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために造られた防火壁のことで、裕福でなければ作ることができなかったという。そのため庶民の間から「うだつが上がらない」という言葉が生まれたという。
土産物店や宿泊施設も多く並んでいる。ここを拠点に観光を楽しむのもいいだろうなと思った。
昨日御朱印を拝受し損ねた洲原神社に再訪。
さらに南下。
道中神社に立ち寄ったりしながら岐阜市を目指す。
渋滞に巻き込まれながらも駅近くの加納天満宮で合流。
そして早くも昼になってしまったので市北部の手打ちそば屋で昼食。
武芸八幡宮へお礼参り
2年ほど前に家族と武芸八幡宮に参拝した。家族は非常に気に入ってまた参拝したいとのことだったのでこのタイミングに再訪。
改めて訪れると長い参道、立ち並ぶ灯籠に杉並木が素晴らしい。2年前と変わらず神聖な空気が流れていた。
紅葉の名所 大矢田神社
大矢田(おやだ)神社と読む。距離的には武芸八幡宮からさほど離れていないのだが徒歩ではいけない。
ということで前回断念したこの神社に向かうことにした。
鳥居の先の楼門は紅葉の時期はとくに美しい景観をみせるらしい。
参道を進んでいくと上り傾斜の広い道になる。路面が苔むしているのが印象的。
ここからは長い階段。
登りきるとすぐに社殿。
御祭神は建速須佐之男命と天若日子命。深山に竜が巣食い困り果てた村人が喪山に祀られていた天若日子に祈願すると建速須佐之男命を祀り祈願するようにとの御告げがあったとのこと。
社務所は無人で、御朱印は郵送対応するとのことだった。
石段ではなく横に坂の道があったのでそこから降りる。砂防ダムの傍らにクマ出没注意の看板あり、急に怖くなる。
…とはいえそうそうクマも人の通るところに出てはこない。何事もなく戻り、車へ。
高賀6社 西部の2社
モネの池~高賀神社
国道256号線を走りモネの池、そして高賀神社を目指す。この道はまっすぐ進んでいけばやがて初日の那比新宮神社へつながる道。
このあたりの山中にはやたら雰囲気のいい高評価の神社が多いなと思ったら、高賀神社を中心に同時期に建てられたのだという。そのような神社が6社あり、これらを巡礼することを高賀6社巡りというらしい。
その中にあるモネの池。ご覧の通り大勢の人が詰め詰め状態。想像よりだいぶ観光地だった。
すぐ上の根道神社に参拝し高賀神社へ。
高賀山を囲む「高賀山信仰」における中心的な社である。
直書きの御朱印も頂きこの日最後の目的地瀧神社へ向かう。
深淵な空気 瀧神社
街道を南下して東へ向い、途中から北の山の中へ入る。
高賀6社の一つ、瀧神社へ向かう。
街道からそれて10分ほど走ると深い森の中に歴史を感じる鳥居と石段があらわれる。
山梨県の軍刀利神社を想起させる出立ち、あの山は一つ越えれば東京都だがこの森はどこまでも続いている。
車を置き、石段を登っていくもよし、車のまま斜めに登っていく道を通り上まで一気にいくもよし。
いきなり巨木が立つ境内はさほど広くはない。
中央の堂にはセルフ式の御朱印がある。
また瀧神社というだけあり、権現滝という名瀑が近くにある。
記事全体にわたってヒルの話ばかりで申し訳ないが、さまざまな記事にこの瀧神社から滝を見に行った何人かがヒルに取り憑かれて帰ってきたという恐怖レポートが記されていた。それゆえ最も強い警戒をもって参拝に臨んだのだが、ここでも遭うことはなかった。
意外と参道を外れたりしない限りは大丈夫なのかもしれない。
翌日は恵那、中津川方面へ行く予定。この夜はなるべく恵那方面に近づこうと岐阜県の東よりに位置する瑞浪という町に宿泊した。
エレベーター内の貼り紙が面白い。さらにフロントでカップラーメンをサービスしてくれる宿!しかし部屋にはシャワートイレがないのだけショック!
最終日 中津川から岐阜へ
中津川市恵那神社へ
これまで一番の快晴、雲一つない青空である。
目的地は中津川市の恵那神社。恵那市ではない。
天照大神の親である夫婦神、伊邪那岐・伊邪那美を祀る。「夫婦が峠を越されて美濃の地に入られた(神坂峠)時、天照大神をお産みになった際の胞衣(えな)を山に納めたと伝えられ胞衣山が恵那山になった」(恵那神社HPより)という。
拝殿前の2本の巨木が目を引く。
防犯対策がしっかりされているようで、本殿をみようかと賽銭箱横を通ったら「監視中です」とけたたましい音が響いた。
景色がいい。下の集落から神社まで歩いて登るだけでもいいハイキングになりそう
御朱印は中津川市の西宮神社の隣にある宮司様宅で拝受。兼務しているのかと思いきやまったく関係ないらしい。
昼食 再びの手打ちそば
昼食は一昨日の手打ちそば屋に再訪。
この日は祝日だったためか客が多く、退店まで90分以上かけてしまうという誤算。常連ぽいおやじどのたちが後から来た女性客に話しかけて居酒屋よろしく盛り上がっていた。夜きてくれ。
美味しかったのだが店主とゆっくりと話すことはできず退店。また来たい。
この時点で一応行く予定だった場所はすべて回りきった。せっかくの快晴、初日どん曇りで参拝した神社に再訪することにした。
初日の秘境神社へ再訪、帰路へ
初日最後一つ手前で参拝した那比新宮神社へ向かうことにした。
とても綺麗な緑が敷き詰められていた境内、この晴天に行かなければ必ず帰ってから引きずる…と思ったのである。
とはいうものの当然ながらものすごい距離である。返却予定地岐阜駅は現在地蕎麦屋から地図でいう左下方向であり、距離も長いので道中探せば神社とかいろいろいけそうである。しかし新宮神社は左上方向に数十キロあり、ついて参拝してすぐ岐阜に向かわなければ間に合わない。ほかに寄れる場所はない。ふつうに考えるとアホ旅程である。
幸い同乗の家族はドライブ好きなので長い移動時間には特に何も言わない。
いかに狂った道のりかはあえて言わなかった。
晴天の那比新宮神社へ
走ること1時間弱、3日ぶり懐かしのこの場所である。
前回とは違い降り注ぐ陽光が境内苔を輝かせている。
美しい…と息を飲んだ。
前回立ち去り際にウリ坊をみたこの場所、今回は鈴をけたたましく鳴らし参拝。
あ、こんな巨木があったんだ、すごい苔の生え方しているな、など初日とは違い落ち着いた気持ちで神社を堪能。
岐阜駅、そして東京へ
何事もなく神社を後にし、車に乗り込み岐阜駅へ向かう。
およそ1時間とちょっとで到着。今回も無事故で返却。新型アクアに別れを告げ、土産確保し名古屋~~~東京と流れるように帰宅。4日間に及ぶ旅が終わった。
振り返って
岐阜行きは1年以上前から計画していたが、急遽ねじ込んだ白山中居神社きっかけで知ることになった白山信仰の歴史は面白いものだった。以前福井の平泉寺白山神社に訪れたときは歴史背景をなにも知らず、帰ってからも調べたりはしなかった。
次回はクマやヒルのいない季節を狙って今回断念した石徹白の杉や那比本宮神社にアタックしようと思う。秘境の巨木神社もまだまだあるようで、岐阜の奥深さにはまってしまいそうである。
1シーズン1岐阜アリかもしれない。
コメント